大町周辺 矢櫃山(1350m) 2016年5月2日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 6:53 高瀬川2号橋−−07:01 分度沢 07:04−−08:06 1350m峰−−08:12 1343.1m三角点 08:14−−08:20 1350m峰(休憩) 08:29−−08:53 廃道−−08:59 高瀬川2号橋

場所長野県大町市
年月日2016年5月2日 日帰り
天候
山行種類籔山
交通手段マイカー
駐車場高瀬川2号橋東詰に駐車余地あり
登山道の有無無し
籔の有無高瀬側沿いの廃道は薄い灌木藪。上部は薄い笹藪
危険個所の有無標高950〜1000mは急斜面で転落注意
山頂の展望三角点付近で僅かに北側が開ける
GPSトラックログ
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コメントDJF氏の記録を参考にケーブル跡を歩く。荒廃した分度沢の橋以降は道無しだが植林が続き藪はほとんどなく意外に快適に歩けた。1343.1m三角点付近の尾根は石楠花があったが最高点(1350m峰)は植林で藪無し展望なし




高瀬川2号橋東詰から出発 斜面を登っても山頂に至るが石楠花籔
立入禁止の看板ありだが道が見えない これが廃道
いきなりでかい倒木 倒木より先は明瞭な道形が残る
石楠花開花中 朽ちかけた桟橋
傾斜が緩む 土砂の押し出し
分渡沢にかかる橋 橋は渡れる状況にあらず
分渡沢。普通に渡渉可能だが渡る必要性無し 分渡沢手前の小さな沢。この左岸側にケーブルあり
この電柱を境にケーブルは地上/空中 山頂へ向かう方向はケーブルは地を這っている
写真では伝わらないだろうが相当な急斜面 ケーブルは一直線に上がっている
ケーブルより南側を登る 目印が点在
熊の爪痕 裏側も爪痕
ケーブル中継場所 ケーブルが切断されている

一段と太いブナ。主のような存在 2つ目の支柱。増幅器あり
植林だがこんな自然の木もある 標高1290m地点。左から太い尾根が合流
尾根に乗る 白いが先日の新雪の影響
白いイワウチワ。たくさん咲いていた 矢櫃山最高峰(1350m峰)
 三角点へ向かう 腰の高さの笹を分ける
鞍部から登り返すと笹は消える 代わりに尾根上には石楠花点在
三角点手前でTVアンテナ登場。ケーブルはここまで さらに進む
三角点のある場所 苔むした三角点
樹林の隙間から蓮華岳が見えた こちらは鳩峰
熊棚 最高点に戻って休憩
今回のルートはほとんど展望なし 帰りは1290mで尾根を直進しないよう注意
テープのある広い斜面が西尾根入口 植林を下る
ここから超急斜面突入 この沢の左岸側尾根を往復した
廃道に合流 県道到着
県道から見た唐沢岳 七倉。10数台の車が止まっていた


 大型連休の天気予報が芳しくない。当初計画した場所は最低2泊必要だが天気が持たないし、寒気が入って山の上は雪の予報。後半は4日間くらい天気が持つ日がありそうなのでそちらに賭けることにして、前半は体力温存で簡単な山を選んだ。それが大町の矢櫃山。餓鬼岳の前衛峰で大町ダムと七倉ダムの中間にある。ネットで検索すると例の如くDJF氏の記録が出てきた。長野県内でそこそこ以上の標高で私の未踏峰のほとんどに彼の足跡がある。

 登路であるが、基本的にはDJF氏と同じだ。下から登る際は高瀬川を渡る必要があり、それを回避できる策は高瀬川一号橋と高瀬川二号橋の間しかないのである。いいところに県道を通してくれたことに感謝だ。

 久しぶりの高瀬ダム方面は鳩峰以来だろうか。今年は雪解けが早く周囲には全く雪は見えず矢櫃山にも雪は無いであろうから今回は雪装備なしで登ることにする。それどころか気温が高く防寒着もダウンジャケットは止めておく。たぶん行動中の大半は半袖でいけるだろう。

 心配していた駐車余地は高瀬川二号橋近くにあった。DJF氏の記録にも出てくるようにここから斜面側に立入禁止の看板があるが、一目見ただけではただの潅木斜面で道があるようには見えず意味不明の看板だ。しかしDJF氏の記録によると高瀬川に沿うように踏跡があるとのことで、よ〜く目を凝らすと斜め上に向かって踏跡を発見。アプローチはこれを辿ればいいはずだ。ここから直接上を目指すことも可能だが強烈な傾斜と石楠花が花を咲かせているのが見え、かなり厳しそうな状況だ。

 いきなりでかい倒木を跨いだり潜ったりして通過すると道がはっきりしてくる。谷側に杭が打ってあり以前は整備された道だったようだ。今でも入口付近を除いてかなりの区間は明瞭。ただし桟橋状の区間は腐食が進んで床が抜けて穴があいている場所も。無雪期ならば桟橋が無くてもギリギリ歩ける程度の斜面だが、あった方が楽に歩けるのは間違いない。

 腐った桟橋区間を抜けると急斜面が終わって歩きやすくなる。沢から押し出した土砂が道を埋める場所が2個所あるが通過に問題無し。さらに進むと分渡沢を渡る朽ちかけた橋が登場し電柱も登場。電柱は橋の向こうに続いていたので沢を渡ることにしたが、ここでJDF氏の記録をよく読めばよかった。対岸の電柱は山の上へ向かうのではなく逆方向の麓へ続くものであった。橋は鉄骨製だが路面は木製の板で腐食が進んででかい穴が開いていて渡れたものではない。沢に下って渡りやすいところを渡渉し、対岸へ上がって電柱の行く末を見たら下っているのでガックリした。山頂へは反対側であり、沢を渡る必要はなかった。

 分渡沢の手前の小さな沢を渡ってちょっとした短い急斜面を登って対岸(左岸)へ上ると先ほどから見えていた電柱があり、電線はここで地上に下ろされて山に上っていく方向には電柱は無かった。DJF情報ではこのケーブルはほぼ山頂まで続いているとのことでいい目印になるが、ケーブル近くには目印はあるが踏跡は見えない。ただし県道脇の尾根とは違って石楠花どころか藪も皆無で、傾斜はきついが藪漕ぎは回避できる。DJF氏は往路では私が渡った小さな沢を渡らずに右岸側を登ったら石楠花藪に出くわしたが、帰りは左岸側の尾根を下ったら石楠花は無かったとのありがたい情報を公開しているので、素直に左岸尾根を登ることにする。

 とんでもない傾斜の植林された尾根登りの始まりだ。ケーブルは最大傾斜の尾根上を這っているが、尾根直登はヤバいほどの傾斜のため尾根右側の分渡沢に近い斜面をジグザグに登っていく。無雪期でも足が滑ったら止まらない斜度でありピッケルが欲しいくらいだった。藪があればそれに掴まるのだが、ここは背の高い植林帯で掴める植物は皆無だった。標高1000mを越えると多少傾斜が緩んで滑落の心配はなくなるが、急斜面はまだ続く。この付近ではケーブルは尾根直上ではなく左手斜面を這っている。白い荷造り紐の目印が見られるようになったこの付近は尾根幅が広く、帰りのことを考えると目印はあった方がいいだろう。

 標高1060mを越えると傾斜が緩んで歩きやすくなる。植林から自然林に変わるが相変わらず藪が無く非常に歩きやすく古い目印が続く。標高1010m付近では皮に爪痕がある立木。餌不足の冬場に鹿が齧った可能性もあるが、幹の反対側には明らかな爪痕。熊の痕跡だ。彼らがいて当然の場所である。

 途中からは再び植林に変わるがブナなども混じって100%の植林帯ではなかった。1090mでは一段と太いブナあり。同じく1090mと1170mの2箇所では低い鉄柱が設置されTV受信信号増幅用のアンプが設置されていた。ただし、おそらく地デジ化と同時に廃止されたらしく太いケーブルは切断されていた。

 標高1200m付近から薄く低い笹が現れるが全く支障がない程度。DJF氏は積雪期に登っているので無雪期の様子は分からなかったが、この状況を見る限りは無雪期登山に適する植生だ。踏跡は無くても問題無し。古いながら目印は点在し、そもそも目印代わりのケーブルがある。

 標高1290mで左から太い尾根が合流。尾根上は低い笹で右側斜面は無毛地帯なのでそちらを歩き、傾斜がきつくなってから尾根上へ移行する。膝くらいの高さの笹でこれまた障害にならない程度で快適と表現していいだろう。右手は薄暗い植林で左手は明るい自然林。

 尾根を登りきって傾斜が無くなった地点が地形図上の矢櫃山最高峰1350m峰(DJF氏の表記では矢櫃山南峰)だ。植林の中で展望は無く目印は無し。これで山頂到着だが三角点を確認すべく先に進む。

 1340m鞍部への下りは明るい自然林と腰くらいの笹だが今までより高密度。しかし激藪というほどではなく歩きやすい部類だ。まだケーブルは先へと続く。鞍部から登りにかかると右側斜面が植林に変わり笹が消えて歩きやすくなるが、尾根直上には石楠花が登場するようになり、そんな場所は尾根右側の植林帯を巻いて石楠花との格闘を防ぐ。

 僅かに登って平坦なピークのてっぺんよりやや北にTVアンテナが取り付けられた電柱があった。今まで見てきた黒いケーブルはここまで。でも周囲に三角点は見当たらず先のようだ。僅かに下って頭上の樹林が開けた肩のような地形に出ると三角点があった。山頂を示すものは赤いテープのみ。僅かに北側に視界が開けるがお世辞にも展望がいい場所とは言えない。結局、ここまで藪らしい藪は無く、本当に無雪期向きの山であることが確定した。DJF氏も帰りに使った尾根(私が往復に使った尾根)を歩いてケーブルの存在も考慮して無雪期でも歩けるのではと予想したとおりだった。意外に難易度が低いので今後は他にも登る人が出てくるかもしれない。

 最高峰に戻って休憩。今日は連休の中休みだが、会社によってはお休みのところもあるだろう。おそらくたくさんの人が北アに入っているだろう。今日は天候がいいが連休前半は荒れて、すぐ近くの蓮華岳では死者が出ているし穂高でも何人も遭難している。今年の大型連休は平地は概ね良好だが高い山、日本海側、北日本は天候が不安定で困ったものだ。

 帰りは往路を戻る。標高1290mで北尾根に引き込まれないように注意が必要だが、よく見れば目印があるので分かるだろう。最後の超急斜面は無雪期でも、いや、無雪期の方が地面が滑りやすい分、不利かもしれない。慎重に下った。

 緩斜面帯に入って小さな沢を横断したら足元が滑って尻餅。お尻が濡れてズボンが泥だらけ。どうせすぐ選択するからいいけど。廃道に復帰し車道へ到着。まだ時刻は早くもう一山くらいは登れそうなので手軽な山に立ち寄ってから帰ることにして車を走らせた。

 

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